浄水器の効果とは?

2022年03月24日

自宅できれいな水がいつでも利用できる浄水器。今回は、浄水器の効果について紹介します。 

浄水器とは?

浄水器は水道水の残留塩素やトリハロメタン類、その他の不純物を減少・除去するための機器です。

浄水器の多くは、浄水器内部の活性炭やろ過膜などのフィルターによって、水道水に含まれる所定の物質の通過をブロックし、減少・除去する仕組みになっています。

浄水器の目的は、水道水をろ過して「より安全でおいしい水」をつくることです。水道水に含まれている不純物や有害物質の除去など一定の効果が期待できます。


日本の水道水は、水道法により水質基準51項目が定められ、その項目に準じて処理されているため、安全性は高いです。ですので、そのまま飲んでも健康上の問題はないと言われています。 

世界的に見ても、上下水道がきちんと整備されている国は多くはなく、水道水をそのまま飲める国は日本を含めて9か国のみで、日本の上下水道インフラは優れていると言えます。


浄水器の効果


●水道水の臭いを除去できる

水には味がありませんが、水道水は「まずい」と言われることがあります。それは、水道水の臭いが原因です。 

水道水の臭いとしてよく挙げられるのが「カルキ臭」ですが、臭いの原因はそれだけではありません。


水道水の臭いの原因は、主に2つあります。

1つ目は、殺菌のために使用されている塩素です。塩素の濃度が高い水道水は「カルキ臭」が発生してしまい、それよって「まずい」と感じる人が多いようです。「カルキ臭」は、安心・安全な水道水を提供するのに必要な消毒対策として利用する「塩素」と有機物が反応することで臭いが発生します。

2つ目は、「2-MIB」や「ジェオスミン」という「カビ臭」のもとになる物質です。これらは、水温が上昇し、植物プランクトンや微生物が盛んに繁殖することで発生します。


地域によっては、朝起きてすぐに水道水を使う際に一定時間蛇口から水道水を流す「捨て水」をすることが推奨されています。水道管の中で一晩滞まった水は、殺菌消毒のための塩素の効果が弱くなったり、給水管の老朽化した鋼管や鉛管からでたサビなどの不純物がたまる可能性があるからです。この「捨て水」は浄水器をつけていても同じ対策をすることをお勧めします。


このような水道水の臭いの原因となる物質も、浄水器を使えば除去・減少が可能です。感じ方に個人差はありますが、上記のような臭いの原因となる物質を取り除くことで、「飲みやすい」、「おいしい」と感じられる人は多いようです。 


●トリハロメタンを除去できる

水道水は塩素によって殺菌され、各家庭に供給されていますが、原水となる河川などの水の中は、有機物質が含まれています。浄水する過程で塩素処理を行うと、これらの物質と塩素が反応してトリハロメタンいう発がん性物質を発生させてしまいます。微量なので健康上の問題はないと言われていますが、 気になる方も多いでしょう。

販売されているほとんどの浄水器は、塩素に加えてこのような有機物やトリハロメタンも同様に除去・減少が可能です。

以前は、水道水中から検出されたトリハロメタンの濃度が高く社会問題にもなったこともありましたが、現在では、当時に比べ、日本の浄水品質も上がっており、高度浄水処理(オゾン・活性炭・微生物など)を導入して人の体に有害なトリハロメタンを低減しています。


●各家庭の水道管の不純物を除去できる

前述のとおり、日本の水道水は厳しい品質管理がなされていますが、水道水が各家庭に供給されれるまでに、古くなった配管のサビなどの不純物、有害物質が混入する可能性もあります。

この水道管の赤錆の原因の一つが、水道水内の残留塩素です。塩素は、雑菌の繁殖を抑える効果がありますが、その酸化作用が水道管の赤錆の原因になっています。 

人体には影響がないとされていますが、浄水器は水道水に混入した不純物や有害物質を減少・除去も可能です。


●浄水器を選ぶ際の注意点

浄水器を選ぶ際は、費用と機能のバランスを考えましょう。

浄水器の本体価格は百均で購入できるものから数十万円するものまで幅広く、予算に合わせて選べます。しかし、除去できる物質が多かったり、除去率が高かったりする浄水器は、高額なものが多いです。

安価なものを購入してしまうと、あまり効果を感じられない場合もあり、価格だけでなく性能も考慮した上で、製品を選びましょう。

また、浄水器にはカートリッジ交換などのランニングコストも発生します。カートリッジ交換は浄水器により価格や交換頻度が違うため、それも含めて検討することが大事です。


まとめ

日本の水道水はそのまま飲むこともできますが、より安心安全かつ美味しい水を飲みたいという方は、浄水器を導入するのがおすすめです。 

浄水器は選ぶタイプによって、設置場所や価格帯、機能性が違います。 コストのあまりかからない手軽につけられる浄水器が良いのか、浄水能力の高いものを選ぶのか、たくさん浄水が使えるものを選ぶのか、など考えたうえで浄水器を選びましょう。 


参考文献:浄水器協会 トリムミズラボ 株式会社メイプル・リンク